2010年04月14日

ナガミヒナゲシ(長実雛罌粟)

Papaver dubium L.
ナガミヒナゲシ(長実雛罌粟)
2010年04月09日 東横堀川河川敷にて

ナガミヒナゲシ(長実雛罌粟)
2010年04月09日 東横堀川河川敷にて


ケシ科 Papaveraceae
ケシ属 Papaver
ナガミヒナゲシ P. dubium

ナガミヒナゲシは地中海沿岸から中欧原産の帰化植物。1年生草本であり、路傍などの荒地に生育する。秋から冬に芽生え、春に開花する。ケシの仲間には、含有成分によっては栽培が禁じられているものがあるが、本種は特に問題ないようである。葉は羽状に深裂し、毛が多い。花弁は4枚であり、雄しべは多数。中央部のめしべの柱頭は4本から8本の筋状であるが、7・8本のものが多いようである。

秋から冬に芽生え、春に開花するライフサイクルは、地中海沿岸の気候特性に対応したものである。地中海地方の気候は、冬は比較的温暖であり、降水量が多く、夏は乾燥する。したがって、秋から春は植物の生育には適しているが、乾燥する夏を乗り切るためにはかなりの耐乾性が必要となる。したがって、秋から芽生え、温暖な冬に成長して春に開花・結実し、厳しい夏は種子や地下茎などで夏眠するライフサイクルが有利となるわけである。
波田研のホームページより引用


このポピーはどうもアルカリ性の土壌が好みらしく、コンクリートで舗装された道路際などでもよく見かけます。しわしわで紙のような花弁が特徴です。

いわゆる雑草に分類されるものなのでしょう・・・
でも、逞しさとは逆にとても可憐で可愛いいから好きです。^^♪

トップの写真の花は柱頭の筋が9本あります。

ナガミヒナゲシ(長実雛罌粟) ナガミヒナゲシ(長実雛罌粟)

そして左のは8本で、右のは5本。


ナガミヒナゲシ(長実雛罌粟)

下向きの蕾が上を向いてふたつに割れて開花します。開花するときには萼を脱ぎ捨てるようです。

下の果実の柱頭の線は10本あり、どうも最小が3で、最大が10のようですね。



2010年04月27日 <追記>

ナガミヒナゲシ(長実雛罌粟)
2010年04月27日 東横堀川河川敷にて


実の熟れかたを観察に行きましたが、種がこぼれて不意に増えることを防ぐためか実を切り取ってありました。やはり、侵略的外来生物としての危惧を抱いてらっしゃる方も増えてきているようです。


2019年5月13日 ナガミヒナゲシ(黒点花)<追記>
花弁に黒い斑紋のあるナガミヒナゲシを見つけたので記事を追記しました。



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syousuke0202 at 01:47コメント(6)

Share (facebook) 4月の撮影  | オレンジ色の花 

コメント一覧

1. Posted by 滝ちゃん   2010年04月14日 22:49
ここ数年、このポピーが道路のあちこちに咲いていますね〜

自然に種が飛んで広まったのかな???

とっても不思議に思っています。

カワイイから嬉しいけどね!不思議。。。
2. Posted by syousuke   2010年04月14日 23:26
>滝ちゃん、こんばんは〜
そうなんです。
で、去年より今年、モーレツに増えてる気がします。^^;
上の写真の果実の蓋(放射状の模様の)が開いたら、いわゆる「芥子粒」っていわれてるほど小さな種がこぼれ出てくるみたいです。道路工事なんかで、ガンガンやってるうちに余計にばら撒かれるのではないかなぁ、と思ってます。

可愛いからいいねんけど、、、
増えすぎて自然界の植生に影響は無いのかなぁ、と心配になるほどの勢いです。^^;
3. Posted by panapao   2010年04月15日 12:05
こんにちは、初めて書き込みます。
ご心配の通り、専門家の間では侵略的外来生物ではないかと問題になっているとか。
あまりの繁殖力に同時期に生育する在来の植物を駆逐するおそれがあるそうです。
下のキーワードで検索してみるといろんな情報が得られます。
1)群馬県 県内危険外来種 からリンクされたリストへ
2)ずっとe家 侵略性外来種
3)カナロコふぁーまーず ナガミヒナゲシにご用心
4)花ゲリラまとめサイト 使用禁止兵器
昨年4月には朝日新聞で「外来ヒナゲシ、暖冬と車社会で分布拡大 東農大調査」という記事もありました。
記事はもう見られませんが、元の論文はこちら(http://ci.nii.ac.jp/naid/110007110599)からダウンロード可能です。
4. Posted by syousuke   2010年04月15日 20:18
>panapao さん、はじめまして!
教えていただいたWEB拝見しました。
素人考えからの懸念でしたが、けっこう的を得ていたのだと納得しています。
確かに、去年と今年だけを比べても驚くほど広範囲で見かけるようになっています。侵略的という言葉も当てはまりそうです。^^;
簡単に種が手に入っても、わざわざ種をまいてまで増やす努力は止めておいた方が良さそうですね。

植物に関してはずぶの素人なので、また何かお気づきの点がございましたらご教授いただければ幸いです。
コメント、ありがとうございました〜^^
5. Posted by nefuakrev   2018年04月30日 09:35
5 有益なこんな情報を知らずしてか、花壇に満開させてご満足の御仁をお見掛けする。県や市の行政はこの危険をお知らせする義務があるように思います。
その御仁のお陰で、毎年ミナガヒナゲシ退治に出奔する私です。


6. Posted by syousuke   2018年04月30日 23:48
nefuakrevさん、はじめまして、こんばんは。
こんな古い記事にコメントを戴き、ありがとうございます。ナガミヒナゲシ、本当に爆発的な繁殖力で在来種に対する影響が危惧されますよね。そのお気持ちお察しいたします。

しかし、ここ10年間ほどナガミヒナゲシの発生している場所を定点観察続けてきましたところ、この記事を書いた頃(2010年ころ)に比べてナガミヒナゲシの生育に勢いが無くなって来てるのを感じ始めています。以前に比べてサイズもかなり小さくなってきてるようです。

侵略的外来生物であるセイタカアワダチソウも近年衰退してきいます。アレロパシー成分による自家中毒やその他の理由により衰退してきているようです。淀川河川敷などでは数年前からセイタカアワダチソウに駆逐されかけていたスズキなどの勢力が盛り返してきています。ナガミヒナゲシにも同様の変化が起き始めているのではないかと感じ始めていたところなんです。

専門家ではないので結論は持っていませんが、植物って案外それなりの底力みたいなものを持っていて、それほど心配せずとも在来種と共存していけるのではないか、などと感じているところです。

ナガミヒナゲシは今のところ「特定外来生物」には指定されていないので個人で栽培するのは自由のようです。ただ、繁殖力は爆発的なので要注意ですね。生育してほしくない場所に関しては駆除する必要はあると思います。

駆除するのも難しい繁殖力ですが、本当に悪者かどうかの結論はもう少し研究が進むまで長い目で見てあげても良いのではないでしょうか?
花はとってもかいらしいですしね。(^_-)=☆


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